AMラジオは雑音がその特徴だ。
雑音あってのラジオという感じを醸し出している。
だが、メディアコンテンツとして見れば音質は極めて低い。
重要なニュースもうまく聞き取れないし、AM波は災害に弱いという致命的弱点もあるのだ。
そこで各放送局が開始したのがワイドFM放送。
ワイドFMであればAMラジオの番組が高音質で聴ける。
また、弱点であった災害時の弱さをカバーできるのだ。
ワイドFMとはいったい何なのか?
ワイドFMの重要性と全国ワイドFM周波数一覧、そしておススメのラジオ受信機も合わせて紹介しよう。
サイマル放送とは
サイマル放送は「1つの放送局」が「同じ時間」に「同じ番組」を異なる媒体で放送することを指す。
在京キー局を例にすれば、TBSラジオや文化放送、ニッポン放送が「同じ時間」に「同じ番組」を「AMとFM」で放送する形態だ。
以前からインターネットを利用したラジオ放送「radiko」があったが、これもサイマル放送になる。
厳密に言うとradikoはAMラジオ放送と比べて1分ほどの遅延が発生している。
FM波を使ったAMラジオ番組のサイマル放送が始まると様々な恩恵に預かれるのだ。
ワイドFMとは
ワイドFMはとは、FM補完放送のことだ。
簡単に言うと、AM番組をFMの電波で放送すること。
AM波の長所と短所
AM波の特徴はその飛距離である。
東京の電波塔を例にすると、関東一円全てをカバーできるほど遠距離まで届く。
しかし、その反面で遮蔽物に弱いというデメリットが存在する。
電波の進行方向に建物や障害物があると、波が弱くなったり途切れたりしてしまうのだ。
AM波に何か問題でも?
『別にAM波が弱くてもいいんじゃね?』
まあ通常ならばその通りである。
ラジオの雑音が多い、聞けなくても困らない、この程度だ。
しかし、仮に大震災クラスの災害が発生したとしよう。
自然災害においては、ラジオは重要な情報源となる。
倒壊した建物や崩れた道路、そこにある瓦礫、様々な要因でAM電波が届かなくなるのだ。
いざという時に情報が入手できないのは困る。
ワイドFMで補完する考え方
そこでワイドFMという放送形態が登場する。
これは、FM中継補完局を使ってAMの番組をFMでも放送しようというものである。
まさにAMの番組をFMで補完的に放送するということだ。
なぜFMが補完になるのか?
ワイドFMとはAM放送をFM波を利用して補完的に流す。
しかし、なぜこれが補完になるのだろうか?
AM波の特徴は先に述べた通り、遠くに飛ぶが弱いというものである。
対してFM波は、距離が短い代わりに遮蔽物などには強い。
AMに比べてFMの音質がクリアに聞こえるのはこのためだ。
遮蔽物があっても電波が劣化しないので、高音質が再現できる。
遮蔽物に強いということは、大震災クラスの自然災害が起こったとしても情報源が遮断されずに済むという大きなメリットがあるのだ。
もちろん災害時のみにメリットを感じるわけではない。
普段の放送においてもAMラジオの特徴とも言える雑音がなくなり、FMの特徴であるクリアな音質でAMラジオ番組が聴けるのである。
これがワイドFMだ。
まとめると?
これらをまとめると、ラジオ放送局がワイドFM(FM補完放送)を利用したサイマル放送(AM / FM同時放送)を開始したということだ。
AMラジオ・FMラジオ受信機とスマートフォンがあれば、AM・FM・インターネット、どれかの電波が届きさえすれば情報を入手できる時代になったのである。
文化放送の救世主
在京のAMラジオ局である文化放送。
アニメなどオタク系番組が豊富なことでも知られる放送局だが、ワイドFMによる恩恵は大きいはずだ。
文化放送の電波は、強い混線が起こる。
理由については言及しないが、海外の放送局が文化放送と同じ周波数帯の電波を国際基準を超えた強さで流すためとも言われている。
とにかく文化放送の番組は雑音で聞き取りにくいという弱点があったが、これを回避する手段がひとつ増えたことになる。
これは同放送局におっては大きなメリットだろう。
ワイドFMの放送を聴く方法
ワイドFMについて説明したところで、実際にどうやってワイドFMを聞けばいいのか説明しよう。
とはいってもそれほど難しいことはない。
手持ちのラジオを確認
まず手持ちのラジオを確認しよう。
ラジオを持っていない
ラジオを持っていない人は当たり前だが購入する必要があるので後述するおススメのワイドFM対応ラジオをチェックしよう。
ラジオを持っている
ラジオをお持ちの方は以下をチェックしよう。
お手持ちのラジオのFM周波数が90.1MHz以上に対応しているかを確認する。
ワイドFMに対応
90.1MHz以上に対応していれば、お手持ちのラジオがそのままワイドFMでも利用可能だ。
購入の必要もないので、後述するFM電波の周波数帯に合わせてワイドFMを楽しもう。
ワイドFMに対応していない
90.1MHz以上に対応していない場合は、ワイドFM対応のラジオを購入する必要がある。
低価格帯でもワイドFMに対応している商品はあるので、手ごろなもので十分だ。
後述するおススメワイドFM対応ラジオをチェックしよう!
ワイドFM対応ラジオを購入しよう
残念ながらワイドFM対応のラジオを持っていない人は購入する必要がある。
どうしても買いたくない人は最後にご紹介するインターネットを利用したradikoをチェックしよう。
以下はおススメのワイドFM対応ラジオである。
手回し充電ラジオ
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電池などを利用せず、ハンドルを回すことで電源を確保し放送が受信可能という災害時を想定したラジオ。
スマートフォンの充電やLEDライトなども付いている優れもの。
それにも関わらず3000~4000円クラスの安さで手に入る。
このタイプのラジオは自然災害の経験を元に作られていることも多く、緊急時の使用を想定している。
手回しで充電するが、他にも太陽光による充電、電池稼働、USB-DCを使った充電と複数の電源確保が可能だ。
本体サイズは左右の手のひらを合わせたくらいのものが多く携帯性も高い。
災害時だけではなく、通常時はもちろん、キャンプなどのアウトドアでも利用可能となっている。
ぜひ購入しておきたいラジオだと言えよう。
とにかく安いラジオ
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ワイドFM対応ライト付FMポケットラジオ(LEDライト) |
ワイドFMさえ聞ければ何でもよい、出来るだけ安く!
そんな要望に応えるのはこのラジオだろう。
なんと税込み268円だ。
この価格でワイドFM対応のみならず、LEDライトが付いているのも驚いだろう。
ただし、残念ながら単価が安い分200個単位でしか買えないようだ。
企業など組織が、所属する人間に災害時対応で配布する用途であれば単価も安いし最適では?
ヘビーリスナー仕様の録音機能
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こちらは生活がラジオ漬けのヘビーリスナー用だ。
最大の特徴は録音機能だろう。
MicroSD対応で4Gのカードが付属してくる。
最大で20番組の予約ができ、高音質・標準音質・長時間録音と3種類のモードが選択可能。
多彩なリピート機能で録音した番組を好きなように聴くことができるのも特徴だ。
外部入力端子もあって、古い音源をデジタル移行するのにも使える!
携帯性や災害時には不向きだが、日常生活には持ってこいの多機能が税込み9800円。
詳しくは販売店のページを参照頂きたいが、これだけの高機能で9800円はお買い得だろう。
次元が違う!超高価ラジオ
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こちらは今まで紹介したものとは次元が異なったものだ。
スピーカーでお馴染みのBOSEが提供する本格派のオールインワンオーディオ機器。
CDやFM / AM / ワイドFMはもちろん対応。
特筆すべきはWi-Fiにも対応している点だ。
これによりインターネットに接続して世界中のインターネットラジオが聴ける。
「ウェーブガイド・スピーカー・テクノロジー」というパイプオルガンの原理を利用した技術で臨場感あふれるサウンドを実現。
さらにはBluetoothに対応しており、スマートフォンやタブレットと接続、携帯端末内の音楽を再生することが可能だ。
最大の難点は、価格が税込み70000~80000万円台と超高価であること。
BOSEの提供する音質に価値を見出せるかどうかが購入の分かれ目だろう。
携帯に最適!小型ラジオ
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携帯音楽プレイヤーと同じ感覚で利用できるのがこの商品。
100円ライターほどのサイズで携帯に優れたワイドFM対応ラジオ。
価格も2000~3000円ほどと手ごろだ。
各放送局のAM&FMの周波数
全国のワイドFM放送局と周波数のリストはこちらだ。
76.1 | NHK名古屋第1 |
76.7 | IBC岩手放送 |
77.0 | NHK鹿児島第1 |
77.8 | ラジオ福島 |
78.3 | NHK鹿児島第1 |
78.8 | NHK鹿児島第2 |
79.3 | ラジオ福島 |
79.4 | NHK松江第1 |
79.5 | ラジオ沖縄 |
79.6 | ラジオ沖縄 |
80.1 | 北日本放送 |
80.3 | IBC岩手放送 |
81.3 | NHK鹿児島第1 |
81.4 | 琉球放送 |
81.5 | ラジオ沖縄 |
81.5 | NHK秋田第1 |
82.2 | 琉球放送 |
82.6 | NHK東京第1 |
82.7 | 琉球放送 |
83.1 | NHK沖縄第2 |
83.4 | NHK鹿児島第1 |
83.5 | NHK沖縄第1 |
83.6 | ラジオ沖縄 |
83.9 | 琉球放送 |
84.1 | ラジオ沖縄 |
84.6 | NHK東京第2 |
84.7 | 琉球放送 |
85.2 | NHK沖縄第1 |
85.5 | IBC岩手放送 |
85.6 | NHK新潟第1 |
86.0 | NHK長野第1 |
86.3 | ラジオ沖縄 |
86.4 | 山口放送 |
86.6 | NHK長野第1 |
86.8 | NHK福井第1 |
87.7 | NHK秋田第1 |
87.8 | ラジオ沖縄 |
88.1 | 茨城放送 |
88.3 | NHK福井第1 |
88.8 | 琉球放送 |
89.0 | 琉球放送 |
89.5 | NHK福井第1 |
90.1 | 秋田放送 |
90.2 | 北日本放送 |
90.2 | 九州朝日放送 |
90.3 | 西日本放送 |
90.4 | STVラジオ |
90.4 | 岐阜放送 |
90.4 | 宮崎放送 |
90.5 | TBSラジオ |
90.6 | 毎日放送 |
90.6 | IBC岩手放送 |
90.8 | ラジオ福島 |
90.8 | 高知放送 |
90.9 | 山梨放送 |
91.0 | RKB毎日放送 |
91.1 | ラジオ関西 |
91.2 | 南海放送 |
91.4 | 山陽放送 |
91.4 | 熊本放送 |
91.5 | 北海道放送 |
91.5 | RKB毎日放送 |
91.5 | 沖縄県民放2社のいずれか |
91.6 | 文化放送 |
91.7 | 青森放送 |
91.8 | 長崎放送 |
91.9 | 大阪放送 |
92.2 | 信越放送 |
92.2 | 山陰放送 |
92.3 | 山口放送 |
92.4 | 山形放送 |
92.4 | アール・エフ・ラジオ日本 |
92.4 | 和歌山放送 |
92.6 | 長崎放送 |
92.7 | 新潟放送 |
92.7 | 九州朝日放送 |
92.8 | 南日本放送 |
92.9 | 東海ラジオ放送 |
93.0 | ニッポン放送 |
93.0 | 四国放送 |
93.0 | 九州朝日放送 |
93.1 | 沖縄県民放2社のいずれか |
93.3 | 朝日放送 |
93.3 | 大分放送 |
93.5 | 東北放送 |
93.7 | CBCラジオ |
93.7 | 南日本放送 |
93.9 | 静岡放送 |
94.0 | 北陸放送 |
94.0 | 九州朝日放送 |
94.1 | 栃木放送 |
94.2 | 和歌山放送 |
94.2 | 南日本放送 |
94.6 | 茨城放送 |
94.6 | 福井放送 |
94.6 | 中国放送 |
94.6 | RKB毎日放送 |
94.8 | RKB毎日放送 |
94.8 | 南日本放送 |
94.9 | 京都放送 |
radikoの使い方
ワイドFM対応ラジオなんて買うのは嫌だ!という人はインターネットを利用したradikoがおススメだ。
スマートフォンにアプリをインストールすれば、高音質のAM・FM放送が聴ける。
ただし、インターネットを利用するので通信料は当然掛かる。
これはブラウザでサイトを見るのと同じ理屈である。
使い放題のプランに入っていることは必須だ。
また、インターネットを利用しているといってもAMやFMのラジオと同じで受信する地域は限られる。
地方からTBSラジオや文化放送、ニッポン放送を無料で聴くことはできない。
それにはradikoプレミアムへの加入が必要となってくる。
ご利用は計画的、且つ自己責任で。
PCで利用
【radiko公式サイト】⇒ ラジオがネットで聴けるラジコ
上記のリンクからアクセスしよう。
PCならアプリのインストールは不要だ。
Androidで利用
【Google Play】⇒ radiko.jp for Android (無料) – Google Play の Android アプリ
Androidでradikoを利用するには、Google Playからアプリをインストールする必要がある。
GPSで地域を判別するので契約キャリアによって設定が異なる可能性がある。
詳細はGoogle Playのページで確認しよう。
iPhoneでの利用
iPhoneも基本的にはAndroidと同じだ。
【App Store】⇒ radiko.jpを App Store で
App Storeからアプリをインストールする必要がある。
地域判別もあるので、詳細はApp Storeで確認しよう。
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